さいしょの一歩はⅠ話「スラウギ号の冒険」からでなくては

「15少年漂流記」は、熊澤パーティではくりかえしとり組み、
そのうち2回は発表テーマとして選んだ物語りです。
熊澤パーティのラボっ子にとってはとっても身近で、だれもが大好きで、
すみからすみまでよーく知っている物語です。

冬休みがおわって小学生クラスでは
1月はじめからⅠ話「スラウギ号の冒険」からスタートしました。
一方中高大学生のクラスでは
よく知っているからという理由でいきなりⅣ話「さらば、ぼくたちの島」からです。
すみずみまでよーく知っている。。。はず。。。
けれどもこれがそうでもなかったのでした。

小学生クラスが物語をおいかけながら気持ちよくⅠ話、Ⅱ話、Ⅲ話と週を重ねていくのに対して
中高大学生のクラスでは英語のセリフやナレーションは追いかけるけれども
どうしてそういうことばが出るのか?
なぜ登場人物がそういう行動にかられるのか?
それがなかなか落ちていかないようなもどかしさが、回を重ねるごとに大きくなっていきました。
それも、喉元まで答えが出ているけれども出ない、というのではなくて
答えを身の内に持っていないような感じでした。

そのわけは

1月が終わろうというころ、高大生がのこって何やら話しているところへ声をかけてみました。
「15少年だけど、まえにⅠ話とⅢ話を発表したときにみんな出てたっけ?」そう聞いてみると
「えっ、うーん、私受験でいなかった」
「おれ小5の夏に入会したから発表したの知らないよ」

話しながらはっきりしたことは、
クラスでさらっとやったことはあってもがっぷり取り組んだことはなく、
この冬休みにもⅠ話~Ⅲ話は一回流して聞いただけで
くりかえして耳にいれたのはⅣ話だけだということでした。

「それでは人物像が浮かんでこないのも
人間関係があやふやになってしまうのも当然だよね。
そうすると
物語の最終回にふさわしい、ストーリーのさいしょからの流れをまとめきる力が出てこないだろうね」

その場で車座になって話したこと

高校生も大学生も
Ⅰ話~Ⅲ話がはっきりイメージにないと、Ⅳ話がしっかりしない問題点には同意。
なんだかうまくⅣ話のイメージがのってこないことを彼らも感じていたようでした。
そしてその対策は 彼らだけで話しあって決めました。
『いまから動いてみるだけの時間はないから、もういちどちゃんと耳に入れてくる』

大学生たちはそれを翌週中学生たちに伝えると すぐに大学の試験期間に突入し、
試験明けにはこんなふうにやりたい、という小学生たちの考えを中心に
勢いのある場面はかなり決まっていることになりました。

こうして、2018年4月の15少年漂流記4話の発表は
ここ数年の熊澤パーティのテーマ活動の過程とは形を変えて
小学生がメインになって全体の構成を考えたものになりました。

3月、高校受験をおえた中学3年生がもどってきて
中高大学生のクラスに気合いが入りました。

合宿までの数週間で
アイデアはいいけれども英日のナレーションの長さに入りきらなかったり
音楽が余ってしまったりといった
構成のでこぼこを直していきました。

そしてそれを小学生たちに伝えるのは
もちろん受験をおえた新高校1年生の役わりです。

新高校1年生たちが鍛えた「伝える力」

「小学生たちのアイデアを手直ししたわけだから
よい手直しなのはもちろん、納得できる理由がないと小学生たちも納得しないよね」

「手直し自体は高校生大学生も関わってそれなりのものになったよね。
だからあとは伝え方が大事かな」

小学校低学年にもわかりやすい工夫と、
小学校高学年も納得させられる説明が 新高校1年生たちには求められました。
もちろんワンシーンにつき何分、と時間も限られました。

はじめはおどおどして時間もかかり、
小学生に反論されると しどろもどろになってしまったりもしました。
けれども 慣れるにつれて小学生たちの顔を見渡しながら説明できる度胸もついて
説得力も増していきました。

もちろん、伝える過程でもっといい案が出てくれば
その場で考えて  練り込んでいく必要もあるわけです。

中学生から高校生への成長段階で、それはとてもよい経験になったと思います。

ゴードンの愛犬ファン、その吠える声に臨終の犬が重なって

自分ごとでもいろいろあった冬になりました。愛犬を亡くしたのです。

「15少年漂流記」では、最年長の少年ゴードンがつれて船に乗りこんでいた愛犬ファンが
おりおりに重要な働きをしてくれるのですが、その声がいちばん多いのはこのⅣ話です。
ワン、ワンワンと吠える声が、まるで少年たちを守るかのように聞こえてきます。

1月のおわりに長く飼っていた犬を亡くて
それからしばらくは
ライブラリーのその吠え声がちょっと悲しく聞こえました。
13年間わが家の一員として過ごした彼は
マルチーズとヨークシャーテリアのミックス犬らしく
利口者でおだやかな犬でした。

キャンプや合宿などのイベントごとでは
共働きの保護者から
「集合の時間が9時だと出勤してしまっているので、
早めにテューターのおうちに連れていっていいですか?」
「仕事で解散時間には間に合わないので
テューターのお家で1時間ほど預かってもらっていいですか?」
そんなお願いがよくあります。

そうしてラボっ子が家に上がっても
ワンワンとちょっと吠えるくらいで、子どもが慣れない手つきで体をなでるのも受け入れてくれた犬でした。

3月末の合宿が終わると 悲しい気持ちがすこし薄らぎましたし
その1泊2日は「15少年漂流記」にとっても とても大きな折り返し点になりました。
<15少年合宿に続きます>